ファーストラインナップとして3つのマスターピースをフィーチャーしますが、その中に知っている作品はありますか
Bahi JD:GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊にはとても親しみがあります。私の人生においてとても大きなインパクトを与えた作品です。
もしご存知の場合、作品にまつわるご自身のストーリーをお教えいただけますか
Bahi JD:押井守監督のGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊はとても小さいときに見ました。ビジュアルと雰囲気に衝撃を受けたと同時に、”アニメーション”にはいろいろな形があることに気づきました。アニメーションで様々なストーリーを紡ぐことができる、これは映画のとても重要な部分だと思います。
オープニングクレジットシーンは、ロゴが現れ、主要な草薙がビルド中で、私の好きな映画のオープニングのひとつです。アニメーションが盛り上がり、素晴らしい映画撮影、タイポグラフィーと編集も素晴らしいです。
蜘蛛の戦車や草薙が丘の上から街を見下ろす最後のシーンなど、映画には忘れられない多くのシーンがあります。
その作品があなたにどのような影響を与えましたか
Bahi JD:アニメーション自体がパワフルでとてもリアルに感じられ、その体験が私がアニメーターという道を選んだ理由の一つとなっています。
押井監督の映画を見た後、私はどのように映画が作られたのかを知りたくなりました。
制作陣の名前やアニメーターの名前を片っ端から調べ、彼らの作品を勉強しました。この映画に参加しているアニメーターからはとても影響を受けていて、彼らは世界で最も優秀なアニメーターだと思っています。ビジュアル面以外でも、川井憲次さんの音楽はとても素晴らしい雰囲気を創り出していると思います
あなたにとってのマスターピースはどの作品ですか
Bahi JD:好きな作品はたくさんありますが、その中でもターミネーター2、攻殻機動隊、トイストーリー1、もののけ姫、AKIRA、トゥルーマンショー、ジュラシックパーク1、アイアンジャイアント、千と千尋の神隠し、等ですね。
“マスターピース”の定義をどう考えますか
Bahi JD:これはとても難しく個人的な質問ですね。一般的に、そして僕個人として、マスターピースとは何度も飽きずに見ることができ、そして毎回見るたびに何かを発見できる作品のことをいうのだと思います。
こういった要素を内包する作品を私はマスターピースと呼びますが、しかしその外にもたくさんの要素がマスターピースを生み出すのだと思います。
らくがき sketch pic.twitter.com/teU6pfVthi
— BAHIJD バヒ・JD (@bahijd) 2017年5月23日
若年層のコンテンツの消費の仕方についてどう思いますか
Bahi JD:消費自体の速度は加速していると思います。私たちはとても早く消費し、スクロールダウンしている。時にはとても素早くモノからモノへ視線を動かしています。
それは今現在とても多くのコンテンツが存在しているからで、もし何かとても好きなものがあれば、そのモノをよりじっくりと見て、ライクボタンを押しているんです。
私はソーシャルメディアで自分の”ライク”履歴を見るのが好きで、ライクしたものをより注意深く見直して、感謝するようにしています。 より長く楽しんで、自分自身にその作品と向き合う時間をとります。
消費ははやくなりましたが、その分インターネットのおかげで様々なコンテンツにより早くアクセスできるようになり、私たちはよりはやく学び、発見できるようになったのだと思います。
Bahi JD
Bahi JDはオーストリアのアニメーター&イラストレーターでアニメを中心に活動中。 Space Dandy、Blade Runner 2022、攻殻機動隊新劇場版などのプロジェクトに携わり、アトム・ザ・ビギングのオープニングを監督した。